【1月8日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は6日、太陽系外惑星探査衛星「TESS(テス)」の観測により、ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)に地球ほどの大きさの系外惑星を発見したと発表した。NASAのジェット推進研究所(JPL)が、米ハワイ州ホノルル(Honolulu)で開催された米国天文学会(AAS)の会議で明らかにした。

TOI 700 d」と名付けられたこの惑星は、地球から100光年しか離れておらず、比較的地球に近いといえる。太陽系から最も近い恒星のプロキシマ・ケンタウリ(Proxima Centauri)は、地球から4光年あまりの距離にある。

 TOI 700 dは、TOI 700と呼ばれる恒星を周回する惑星。TOI 700は小型のM型矮星(わいせい)で、大きさは太陽の約4割、表面温度は約半分にとどまっている。

 TOI 700は当初、実際よりも大きく、高温だと考えられていた。だが、TESSチームに所属するアマチュア天文学者らにより、地球ほどの大きさでハビタブルゾーンに位置していることが分かったという。

 TESSは今回、TOI 700の軌道上で三つの惑星を発見しており、それぞれTOI 700 bTOI 700 c、TOI 700 dと命名されている。このうちTOI 700 dのみが、液体の水が存在できる温度の「ゴルディロックス・ゾーン(Goldilocks Zone、生命居住可能領域)」に位置しているという。

 TOI 700 dは地球の約2割大きく、公転周期は37日。TOI700から受け取るエネルギーは、地球が太陽から受け取るエネルギーの86%に相当するという。

 TOI 700 dの組成はいまだ不明で、研究者らは惑星の大きさと種類に基づきモデルを作り、大気組成や表面温度などを推測する計画だ。