【1月8日 AFP】(図解追加)オーストリアの保守派を率いるセバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)氏(33)が7日、首相に宣誓就任した。民主的に選出された指導者としては世界最年少となる。クルツ氏は前政権で極右政党と連立を組み首相を務めたものの、連立は崩壊。今回は環境政党「緑の党(Greens)」との異色の連立政権を率いる。

 クルツ氏は首相再任に当たり、「気候と国境を守る」と宣言。オーストリアで緑の党が参加する政権の誕生は初めてで、同国メディアはこの連立を「奇抜」や「意外」なものと報じた。

 極右政党と連立を組んだ前政権は汚職疑惑をめぐって崩壊。クルツ氏が率いる中道右派の国民党(OeVP)と緑の党は先週、連立政権を樹立することで合意した。両党はいずれも昨年9月の解散総選挙で得票を大幅に伸ばしていた。

 新政権は両党双方の指針に沿い、温室効果ガス排出量を差し引きゼロにする「カーボンニュートラル」の2040年までの達成と、厳格な反移民政策の継続に取り組む。

 欧州諸国はポピュリズムの台頭と気候変動問題への対応に苦慮しており、オーストリアの連立政権が成功すれば各国の模範となる可能性があるとの見方も出ている。(c)AFP/Julia ZAPPEI