【1月7日 AFP】オーストラリアテニス協会(Tennis Australia)は7日、森林火災による煙の影響で全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)が延期される可能性は低いという認識を示し、出場選手の健康と安全を守るために全力を尽くしていると強調した。

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 今季の四大大会(グランドスラム)初戦、全豪オープンの開幕が20日に迫っている中、25人の死者を出しながら同国東部に拡大している森林火災の影響で、会場のメルボルンはここ数日間にわたり煙霧に覆われている。

 ATP選手協議会(ATP Player Council)の会長を務めるノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は先日、大会主催者に対して、状況が改善されなければ、最終手段として大会の延期を検討する必要があると訴えていた。

 しかし、豪テニス協会のクレイグ・タイリー(Craig Tiley)最高経営責任者(CEO)は、大会延期の可能性は少ないという認識を示し、「森林火災の煙が全豪オープンに影響を及ぼす可能性について、いろいろな臆測が出ている」「予選が来週に迫っている中で、現時点でわれわれが得ている情報によると、予報は良好となっている。何らかの遅れが出る恐れはなく、追加措置を講じて必ず全豪オープンが予定通り開催されるようにしていく」と述べた。

 タイリーCEOは、多くの家屋に被害を出している火災の映像には心を痛めているとする一方で、メルボルンの市民には何も危険はないと強調。「最も近い火災は、町から数百キロメートルも離れている」と話し、選手をはじめスタッフやファンの健康と安全を最優先にすると訴えた。

「大会を通じてそのことを確約するために、われわれは状況の分析と監視、そして計画実行に向けた追加人員を約束する」「気象と大気環境の専門家を派遣し、メルボルンパーク(Melbourne Park)でライブデータを分析したり、空気の質をリアルタイムで計測したりできるようにする。われわれは常に、医療スタッフや地元の専門家と緊密に連携している」

 極度の高温や雨の予報と同様に今大会では煙の警報も出されることになっており、大気監視システムでプレーの続行が危険であると示された場合、審判は試合を中断することができる。しかし、メルボルンパークは屋根付きのスタジアム三つと室内コート八つを備えており、大幅な遅れの可能性は極めて低いとみられる。(c)AFP/Martin PARRY