【1月7日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は6日、ドイツの公共放送ARDが報じた国際ウエイトリフティング連盟(IWF)の汚職疑惑とドーピングの隠蔽(いんぺい)体質について、「深刻なものであり、憂慮している」との見解を示した。

 ロシアによる国ぐるみのドーピングスキャンダルを暴いたことで知られるARDは、重量挙げの有名選手がほとんどドーピング検査の対象にならない実態と、検査官が賄賂を受け取って尿サンプルの操作を黙認しているとの疑惑を報じた。

 番組内ではまた、IOCからIWFに送られた少なくとも500万ドル(約5億4000万円)の資金が、IWFのタマス・アヤン(Tamas Ajan)会長個人が管理しているスイスの銀行口座二つに流れ込んだ疑惑を示す書類の存在も明らかにされた。

 これを受けてIOCは、「ARDの報道を把握している。告発内容は非常に深刻なものであり、憂慮している」とすると、「IOCとして明確にしておきたいのは、ARDの主張とは違い、映像が疑惑の根拠としている書類の大半について、当連盟は所持していないということだ。これに該当するのは、ドーピングの検査状況や不正会計の疑惑に関連した書類である」と述べた。

 同日には世界反ドーピング機関(WADA)が、機関内の独立捜査部門が「これら全部の疑惑を把握」しているとした上で、反ドーピング規則に「違反している可能性」について調査を続けていく意向を示した。

 今回の問題は、スイス・ローザンヌ(Lausanne)で8日に開かれるICO理事会で議論される見通しとなっている。(c)AFP