【1月7日 AFP】中国当局は5日、同国で確認された原因不明のウイルス性肺炎について、重症急性呼吸器症候群(SARS)ではないと発表した。発症者数は59人となっている。

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 SARSは強い感染力を持ち、中国で2003年に起きた流行では数百人が死亡していた。今回の肺炎は人口1100万人超の中部武漢(Wuhan)市で先週初めて報告され、インターネット上ではSARSの再流行ではないかとの臆測が広がっていた。

 武漢市の保健委員会は「インフルエンザや鳥インフルエンザ、アデノウイルス感染症、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)といったいくつかの仮説を排除した」と発表。患者59人のうち7人が重症だが、死者は出ていないと述べた。患者は全員が隔離治療を受けている。

 感染は昨年12月12~29日の間に発生。患者の一部は、武漢市内にある海産物市場の従業員だった。この市場は消毒のために閉鎖されている。ヒト間での伝染を示す証拠は今のところ見つかっていないという。

 世界保健機関(WHO)は5日、「卸売りの魚や生きた動物の市場に関連しているとの報告から、動物が関与した暴露の可能性がある」との見解を示している。(c)AFP