【解説】ゴーン被告の逃亡 これまでに分かっていること
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■トルコ当局の捜査
トルコの内務省は、昨年12月30日にゴーン被告がイスタンブールの空港でプライベートジェットを乗り継いだとされる件について捜査を開始している。
トルコの民営デミルオレン通信(DHA)は2日、当局が捜査の一環として操縦士4人を含む7人に事情聴取を行ったと報じた。
一方、ゴーン被告は2日、声明を発表し、日本出国について家族の関与を否定している。
またウォールストリート・ジャーナルは、元米軍特殊部隊出身の民間警備会社社員で、「逃亡のプロ」と呼ばれるマイケル・テイラー(Michael Taylor)氏がゴーン氏の逃亡に協力したと伝えている。
さらに同紙によると、ゴーン被告の出国前日に当たる12月28日、テイラー氏ともう一人の男性がアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ(Dubai)から大阪までプライベートジェットで移動しており、その際に黒い大型ケース2個も積み込まれていたという。
■4通の旅券
ゴーン被告の日本からの出国記録は残されていないが、レバノンへの入国にはフランスの旅券を使用したことが、AFPが確認した空港書類で明らかになっている。
ゴーン被告が所持していたレバノン、フランス、ブラジルが発給した3通の旅券は、日本の弁護団が保管していた。だが、情報筋はAFPに対し、もう1通所持していたフランスの旅券については、「鍵付きのケース」に入れてゴーン被告が携帯し、弁護団がその鍵を預かることを裁判所が許可していたと説明した。
■「赤手配書」
ゴーン被告の逃亡をめぐり、レバノン当局はインターポールから、国際手配書の一つで同被告の身柄拘束を求める「赤手配書(Red Notice)」を受領した。だが、レバノン司法当局筋はAFPに対し、レバノンと日本はゴーン被告の日本への身柄引き渡しが可能となる犯罪人引き渡し条約を結んでいないと述べている。(c)AFP/Pierre DONADIEU