【1月6日 AFP】(更新、写真追加)保釈中に日本からレバノンに逃亡、国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)から国際指名手配を受ける――日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告の逃亡劇は、ハリウッド映画になってもおかしくない。

 ゴーン被告は8日、レバノンの首都ベイルートで記者会見を開いたが、逃亡の詳細は明らかにしなかった。

 ゴーン被告の逃亡をめぐって、これまでに分かっていることをまとめた。

■音響機器用ケースに隠れて出国

 ゴーン被告が日本から出国した際の正確な状況は、今も謎に包まれている。

 NHKの報道によると、ゴーン被告の東京の住宅に設置されていた監視カメラの映像には、昨年12月29日の午後早くに同被告が一人で外出する姿が映っていたが、帰宅する様子は捉えられていない。

 またNHKは6日、捜査当局に近い関係者の話として、ゴーン被告は都内のホテルで男性2人と会ったとも報じている。

 3人はその後、品川駅から新幹線に乗り、午後7時30分ごろ大阪に到着、関西空港(Kansai Airport)付近のホテルにチェックインした。だが、ホテルを出発する際の監視カメラの映像には、男性2人の姿しか映っていなかったという。男性らは「二つの大きな箱」を運んでいたが、空港でこの箱の税関検査は行われなかった。

 ゴーン被告は同日、関空からプライベートジェットでトルコのイスタンブールに向かい、そこから空路でベイルートに入ったと考えられている。

 日本の税関、出入国審査をどのように通過したのかは明らかになっていない。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、関空からのフライト時には音響機器用の大型ケースに身を隠していたと報じている。このケースは後に、プライベートジェットの客室の後方で見つかっている。

 また、同紙がトルコの捜査当局に近い匿名の情報筋の話として伝えたところによると、このケースの底には呼吸用の穴が複数開けられていた。