【1月6日 AFP】19-20イタリア・セリエAは5日、第18節の試合が行われ、ブレシア(Brescia Calcio)はホームでラツィオ(SS Lazio)に1-2で敗れた。ブレシアのFWマリオ・バロテッリ(Mario Barwauh Balotelli)はこの試合で得点を挙げたが、またしても人種差別の標的となり、「恥を知れ!」と相手ファンを非難した。

 29歳のバロテッリはインスタグラム(Instagram)に「心が痛む敗戦だが、俺たちは強くなって帰ってくる。正しい方向に向かっている」「きょうスタジアムにいたラツィオファンよ、恥を知れ! #saynotoracism」と記した。

 ブレシアはバロテッリの得点で18分に先制したが、その後チロ・インモービレ(Ciro Immobile)に2ゴールを許し、優勝争いをしているラツィオに逆転負けを喫した。

 しかし、バロテッリに人種差別的なチャントが向けられたことで、この日の試合は陰鬱(いんうつ)としたものになった。

 バロテッリは30分、ジャンルカ・マンガニエッロ(Gianluca Manganiello)主審に「もう2度目だ」と告げると、同レフェリーから「これから処理する」と返答を受けた。

 人種差別的行為が続く場合、試合は中止になり、当該クラブには罰則が下るかもしれないということを観客に知らせる発表がスピーカーから流れる中、ラツィオのシモーネ・インザーギ(Simone Inzaghi)監督は、敵地に駆けつけたファンの前でチャントをやめさせようと身ぶりをした。

 ブレシアのファンは指笛と声援で人種差別的なチャントをかき消そうとし、バロテッリはこれに拍手を送った。ラツィオは後に、「ごく一部のファン」による振る舞いを批判する発表文を公開している。

 バロテッリは昨年11月のキエーボ・ベローナ(Chievo Verona)戦でモンキーチャント(猿の鳴きまね)を浴びせられると、ピッチを去ろうとした。イタリアでは今季、インテル(Inter Milan)のロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)やACミラン(AC Milan)のフランク・ケシエ(Franck Kessie)、フィオレンティーナ(Fiorentina)のダウベルト・エンリケ(Dalbert Henrique)も人種差別の被害に遭っている。

 一方、試合に勝利したラツィオのインザーギ監督は、スベン・ゴラン・エリクソン(Sven-Goran Eriksson)氏が1998-99シーズンに樹立したリーグ9連勝という記録に並んだ。エリクソン氏は1999-2000シーズンにラツィオをセリエA優勝に導いており、クラブにとってはこれが最後のリーグ制覇となっている。

 また他の試合では、ASローマ(AS Roma)がアンドレア・ベロッティ(Andrea Belotti)に2ゴールを決められ、トリノ(Torino FC)に0-2で敗れた。ホームで黒星を喫したローマは、同じ都市を本拠地とするライバルのラツィオと4ポイント差の4位につけている。(c)AFP/Emmeline MOORE