【1月5日 AFP】在英のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は4日、勃発から9年になろうとしているシリア内戦の死者が、38万人を超えたと発表した。同団体は昨年3月、内戦による死者が37万人を超えたと発表していた。

 シリアに情報網を持つ同団体によると、死者のうち11万5000人以上が民間人で、子どもが約2万2000人、女性が1万3000人以上を占めていた。

 今回発表された死者数のうち、12万8000人以上がシリア人と外国人を合わせた同国政権側の戦闘員だった。うち半数以上がシリア出身の兵士で、レバノンのイスラム教シーア派(Shiite)政党・武装組織ヒズボラ(Hezbollah)の戦闘員が1682人だった。ヒズボラの戦闘員らは2013年以降、シリア内戦で戦闘に参加している。

 一方、反体制派やクルド人勢力の戦闘員ら6万9000人以上が死亡した。また国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の元傘下組織を前身とする反体制派連合「タハリール・アルシャーム機構(HTS)」や、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」などイスラム過激派の6万7000人以上も死亡した。

 発表された死者数には、政権側の刑務所で拷問により死亡した約8万8000人や、内戦中に各勢力から拘束され行方が分からなくなっている数千人は含まれていない。

 シリア内戦は、2011年3月15日に南部ダルアー(Daraa)市で起きた反政府抗議行動がきっかけとなって始まった。これまでに1300万人近くの国民が避難や亡命を余儀なくされている。(c)AFP