【1月5日 AFP】インドネシア首都圏を見舞った洪水について、同国の国家防災庁は4日、死者が60人に上り、今も2人が行方不明になっていると発表した。同日、被災した遠隔地には、ヘリを使って食料などが届けられた一方、さらなる豪雨への懸念が高まっている。

 この洪水はここ数年で最悪の規模で、人口約3000万人のジャカルタ首都圏では、今も多くの人が浸水した自宅に帰れずにいる。

 ジャカルタに隣接するバンテン(Banten)州ルバック(Lebak)県では6人が死亡。橋が壊れ道路が寸断された遠隔地には、警察と軍がヘリで即席麺などの物資が入った箱を投下した。

 ジャカルタ首都圏では広い範囲が水に漬かり、17万人超が避難した。

 大きな被害を受けたジャカルタ東郊のブカシ(Bekasi)では、冠水した道路にがれきが散らばり、つぶれた車が積み重なっていた。建物の2階には、水の跡が残っていた。

 政府は3日、首都圏でのさらなる降雨を防ごうと、ジャカルタの西で人工雨を降らせるため、飛行機を使って化学物質を散布し始める方針を発表した。

 多くの地域で水は引き、電力も復旧しつつある。

 ジャカルタ首都圏では、土砂崩れで8歳の男児が死亡した。さらに、4歳と9歳の子どもがいる一家も死亡。こちらはポータブル発電機のガス漏れによる中毒死とみられている。

 また、16歳の少年は、電線に触れて感電死した。このほか水死や低体温症による死者も出た。(c)AFP/Ganis Bungsu / Haeril HALIM