【1月5日 AFP】米軍がイラン革命防衛隊(IRGC)の対外工作を担う精鋭部隊「コッズ部隊(Quds Force)」のガセム・ソレイマニ(Qasem Soleimani)司令官を殺害して緊張が高まっている中、イラクの首都バグダッドで4日、米大使館の近くに迫撃弾2発が撃ち込まれた。それとほぼ同時に、バグダッドの北にあり米軍も使用しているバラド(Balad)空軍基地にロケット弾2発が撃ち込まれた。いずれも治安関係者が明らかにした。

 イラク軍も攻撃を受けたことを認め、いずれの攻撃でも死傷者は出なかったと発表した。

 現在のところ犯行声明は出ていないが、イラクのイスラム教シーア派(Shiite)武装勢力の連合体「人民動員隊(Hashed al-Shaabi)」は、5日午後5時(日本時間同11時)以降、米軍がいる基地から少なくとも1000メートル離れるよう治安部隊やイラク国民に呼び掛けた。この時刻にはイラク議会で審議が行われる予定になっており、人民動員隊は米軍追放について採決すべきだとしている。

 イラクではこのところ、米外交官や米兵を狙った反米グループによるロケット弾攻撃が相次いでおり、米政府はこれを強く批判している。米軍によるソレイマニ司令官の殺害でイランとの対立が激化し、攻撃が増えるのではないかと懸念されている。(c)AFP