【1月3日 AFP】森林火災が猛威を振るっているオーストラリア南東部で3日、逃げ場を失って先月31日から海岸で立ち往生していた住民らの救出作戦を軍が開始した。

 豪南東部の町マラクータ(Mallacoota)の海岸では、炎に囲まれた状態で大みそかから立ち往生していた多数の住民が、接舷した海軍の揚陸艇にペットやわずかな所持品とともに乗り込んだ。

 スコット・モリソン(Scott Morrison)首相は、「午後までに約1000人がこの地域から避難するはずだ」と語った。

 軍は他の孤立地域でも、救急隊と連携して空から救援物資を投下している。

 数か月にわたって続いている森林火災では、これまでにベルギーの国土の約2倍に相当する面積が焼失し、家屋約1300戸以上が被災したほか、少なくとも20人が死亡、数十人が行方不明となっている。

 4日には気温が再び40度を超えるとの気象予報が出ており、国内でも人口の集中する南東部各地には非常事態宣言が出ている。当局は、観光地としても人気の高い総距離300キロに及ぶ南東部の沿岸地域に避難勧告を出し、住民や観光客の長い車列がシドニーや首都キャンベラ方面へ続いている。(c)AFP