【1月3日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)が昨年末に、自分の手をつかんだ熱心な女性信者の手を振りほどいたことをめぐり、警護隊は何をしていたのかという疑問の声が上がっている。

 全世界のカトリック信者13億人の頂点に立つ教皇は、信者とのセルフィー(自撮り写真)に応じるにせよ、握手をしたり子どもを祝福したりするにせよ、専属の警護隊に守られている。

 テレビ中継された映像によると、バチカン市国のサンピエトロ広場(Saint Peter's Square)で大みそかに女性がフェンス越しに教皇の手をつかんだ時にも、黒服の男性3人が背後に控えていた。しかし、そのうちの一人が女性の手を制したのは、教皇が女性の手をたたいて振りほどいた後だった。教皇はその後、「悪い手本」を示したと謝罪した。

 この映像は2日までにインターネット上で拡散。一部のツイッター(Twitter)ユーザーからは、なぜこのようなことが起きたのかと疑問の声が上がった。

 あるユーザーは、「あの人には文字通りの親衛隊がいるのに、自分でたたかなくてはならないの?」とツイート。別のユーザーは、「教皇の警護隊はずいぶんと緩い」とコメントした。

 AFPはバチカンの保安部門に取材を試みたが、回答は得られなかった。

 しかし保安専門家は、警護隊がもっと早く介入すべきだったと指摘している。

 イタリア警察の特別介入部隊を創設した通称アルファ司令官(Commandant Alfa)は伊AGI通信に対し、「謝罪すべきは、教皇の警護隊だ」「女性が教皇の手を離そうとしなかったので、教皇は振りほどくために女性の手を軽くたたかざるを得なかった」「しかし、警護隊はそのような状況にさせるべきではなかった」と述べた。(c)AFP/Catherine MARCIANO / Alexandria SAGE