【12月31日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長が30日、「外交および軍事的な対応措置」を指示した。国営朝鮮中央通信(KCNA)が翌31日、伝えた。北朝鮮は年末を、米国との非核化交渉期限としている。

 金委員長は元日に発表する「新年の辞」に先立ち、首都平壌で開かれている党中央委員会総会で7時間かけて演説。この中で、経済再建策に加え、「わが国の主権と安全を徹底的に保護するための外交および軍事的な対応措置」を指示した。

 KCNAによると、「重要文書」の検討を行うため、総会は継続されるという。

 朝鮮半島(Korean Peninsula)の非核化協議は、今年2月にベトナムの首都ハノイで行われたドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領と金委員長との第2回首脳会談以降、こう着状態が続いている。

 韓国の梨花女子大学(Ewha Womans University)のレイフエリック・イーズリー(Leif-Eric Easley)教授は、北朝鮮は来年4月の韓国総選挙までの期間を、最小限の譲歩で最大限の利益を得る好機と捉えている可能性があると指摘。

「ただ金委員長は過大な挑発により、米国と衝突したり、中国の支援を失ったりするリスクを冒したくはないだろう」とイーズリー教授は述べ、次期米大統領が決定するまでは外交的なこう着状態を引き延ばすかもしれないとの見方を示した。(c)AFP