【12月31日 AFP】ラグビーニュージーランド代表の前ヘッドコーチ(HC)のスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)氏が31日、同国の新年の叙勲制度で受勲者名簿に名を連ね、ナイトの爵位が授与されることになった。ハンセン氏は「サー・スティーブン」になったものの、自身は今も「平凡なスティーブ」だと語った。

 今年行われたラグビーW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)で、オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)は準決勝のイングランド戦に敗れて3連覇にはわずかに届かなかったが、ハンセン氏はラグビーユニオン(15人制)界への多大な貢献が認められた。

 率直な物言いとユーモアのセンスを持ち合わせるハンセン氏は、2011年にニュージーランド代表でW杯を制してこちらも爵位を授与されたグラハム・ヘンリー(Graham Henry)元HCの下で8年間アシスタントを務め、その後オールブラックスを8年間率いた。

 その間にチームは2015年のW杯イングランド大会(Rugby World Cup 2015)を制すと、日本大会では3位に入った。また、南半球4か国対抗戦のザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship)では6回優勝し、ワールドラグビー(World Rugby)が選出する年間最優秀チームには5回選出されている。さらにはワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)と争う「ブレディスローカップ(Bledisloe Cup)」では、8年間カップを保持し続けた。

 ハンセン氏はテレビ・ニュージーランド(TVNZ)に対し、ナイトの爵位授与決定が知らされた際に「計り知れない誇り、謙虚さ」を感じたと明かすとともに、妻や一緒に戦った選手たちに敬意を表した。

「指導することができた選手たちの才能や、素晴らしい上層部、裏方のスタッフたちに永遠に感謝するだろう。自分だけでは成し遂げられない。この栄誉は彼らのものでもある」

 受勲に恐縮しながらも、ハンセン氏は「サー・スティーブ」と呼ばれることにしっくりときていないようだ。

「私はただの平凡なスティーブだし、それがこれからも望む呼ばれ方だ」 (c)AFP