【12月31日 AFP】地中海の島国キプロスで、スウェーデンから訪れていた夫婦のレンタカーから息子の遺灰が入った箱を盗んだ疑いで男女が逮捕された。

 地元メディアによると、盗まれた遺灰はスウェーデンに住むポーランド人夫婦の息子(19)のもの。息子は数か月前に交通事故で亡くなったため、両親はその遺灰を地中海にまこうとキプロスを訪れていた。

 しかし、夫婦がリマソル(Limassol)近くのレストランで食事をとっている間に、レンタカーから遺灰を納めた箱の入ったバックパックが盗まれてしまった。

 母親は英BBCに「息子がいないクリスマスを家で迎えるのが耐えられなかった」と述べ、人生最悪の年になってしまった今年の終わりを、どこか暖かい場所で過ごそうとしてキプロスにやってきたという。

 夫婦は29日にスウェーデンに帰国。遺灰を返してくれれば謝礼金を払うと訴えていた。

 遺灰が入った箱は29日夜、幹線道路の近くで見つかった。

 警察は、夫婦がレンタカーを駐車していた場所に近いレストランの監視カメラ映像から35歳の女と44歳の男の身柄を拘束。2人は30日にリマソルの裁判所に出廷し、窃盗の容疑で4日間の再勾留が命じられた。

 警察は遺灰を無事取り戻せたと夫婦に報告。遺灰は夫婦に返還されるという。(c)AFP