【12月30日 AFP】激しい森林火災に見舞われているオーストラリア南東部で30日、観光客らが足止めされる恐れが出てきた。新たな熱波の到来を受け、消防隊員らはさらなる森林火災の発生に備えている。

 同国各地では現在、多くの地域で火災が発生している。今年の森林火災シーズンは、長引く干ばつや気候変動の影響でより激しさを増した。

 ビクトリア(Victoria)州の人気観光地、イーストギプスランド(East Gippsland)地域では29日、気温の上昇と強い風で3か所での大規模火災が勢いを増し、まだ通行できている最後の幹線道路が寸断される恐れがあるとして、当局が3万人以上に避難を求めた。

 ビクトリア州緊急管理局(Emergency Management Victoria)のアンドリュー・クリスプ(Andrew Crisp)局長は、今もこの地域にいる住民や観光客は、すでに「逃げるには遅すぎる」ため足止めされる危険にさらされていると述べた。同局は、この地域を訪れているすべての人を援助するのは「不可能」だと警告している。

 今年のオーストラリアの森林火災では、10人が死亡し、1000軒以上の民家が破壊され、ベルギーの国土面積を上回る300万ヘクタール以上が焼けた。(c)AFP