【12月29日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は27日、来年打ち上げを予定している火星探査車「マーズ2020(Mars 2020)」を報道陣に向けて公開した。NASAの科学者らは今回のミッションが、太古の生命の痕跡を探すだけでなく、将来の有人探査に向けた地ならしになると話している。

 米ロサンゼルス近郊のパサデナ(Pasadena)にあるジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)の巨大な無菌室の中で製造された探査車は、先週行われた初のテストで無事成功を収めた。

 マーズ2020は、来年7月にフロリダ州ケープカナベラル(Cape Canaveral)から打ち上げられ、7か月後の2021年2月に火星に着陸する予定で、米国のものとしては5台目の火星探査車となる。

 プロジェクトの副代表を務めるマット・ウォレス(Matt Wallace)氏はAFPに対し、「(探査車は)生命の兆候を探るために設計されており、火星の地表における地質学的、化学的な状況についての理解に役立つ、数多くのさまざまな機器を載せている」と述べた。

 探査車にはカメラ23台の他、火星で吹く風の音を聞き取る「耳」となる装置2台、化学分析に使用されるレーザーなどが搭載されている。

 大きさは自動車とほぼ同じで、岩の多い地形でも移動できるよう、先代の火星探査車キュリオシティー(Curiosity)と同じく6個の車輪が装備されている。(c)AFP/Laurent BANGUET