【12月29日 AFP】米起業家イーロン・マスク(Elon Musk)氏(48)は27日、ラスベガス(Las Vegas)の交通渋滞の解決策となる長さ約1キロの地下トンネルが来年完成する見通しだと、ツイッター(Twitter)で明らかにした。

 長さ約1.3キロとなる地下トンネルは、米電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)や宇宙企業スペースX(SpaceX)の創業者であるマスク氏が設立したトンネル掘削会社「ボーリング・カンパニー(Boring Company)」が建設を手掛ける。

 マスク氏は「ボーリング社がベガスに建設するコンベンション・センターとストリップ(Strip)地区を結ぶ同社初の商用トンネルは、完成に向かっている」とツイート。さらにその後の投稿で「うまくいけば、2020年には全面開通する」と付け加えた。

 ラスベガス市は今年3月、ラスベガス・コンベンション・センター(Las Vegas Convention Center)から大型ホテルやカジノが立ち並ぶ中心街ストリップまで容易に移動できるトンネルの設計、建設および管理をボーリング社に発注。ボーリング社は、小型自動運転車で1台8~16人の利用者を輸送するトンネル2本を建設している。
  
 独創的で時には夢物語のような発想をするマスク氏は以前から、テスラ製の車両に乗客用カプセルを搭載して低圧状態のトンネル内を超高速移動させる未来型地下鉄道システム「ハイパーループ(Hyperloop)」構想を提唱。最終的に、首都ワシントンとニューヨークを結ぶ米北東回廊(US Northeast corridor)にハイパーループを完成させたいと意欲的で、シカゴやロサンゼルスでも同様のプロジェクトを提案している。

 ボーリング社は昨年、カリフォルニア州で試験用トンネルを記者団に公開しているが、結局プロジェクト受注の第1号はラスベガス市となった。当初、3500万ドル(約38億円)にとどまるとされたトンネル建設費だが、地元紙「ラスベガス・レビュー・ジャーナル(Las Vegas Review-Journal)」によると、その後5250万ドル(約57億円)に増大している。(c)AFP