【12月28日 AFP】自転車ロードレースに参戦するNTTプロ・サイクリング(NTT Pro Cycling)の選手で、南アフリカ・ケープタウン出身のニコラス・ドラミニ(Nicholas Dlamini)が27日、同国のテーブルマウンテン国立公園(Table Mountain National Park)で、入園料支払いの有無をめぐりパークレンジャーと争って腕を骨折した。

 NTTは南アフリカ国立公園局(SANParks)の職員を非難するコメント文を発表し、「ニコラス・ドラミニが27日、テーブルマウンテン国立公園のシルバーマイン(Silvermine)区域で、公園局の職員に呼び止められた後、腕の骨折に見舞われた」「彼にこのような暴力を行う正当な理由はない」と訴えた。

 公園当局はこれに対し、ドラミニが腕を骨折したと認めながらも入場料を支払わずに公園内に入ったと主張。同選手がパークレンジャーに止められ、入園チケットもしくは許可証を見せるように求められると、「その場の状況が悪化していさかいになり、その際に自ら負傷した疑いがある」と説明した。

 ソーシャルメディア上に投稿された写真や動画では、一人のパークレンジャーがドラミニを公園所有の車に押し付け、同選手の腕を背中側にねじり上げている様子が確認された。

 当日夜には、南アフリカのバーバラ・クリーシー(Barbara Creecy)環境相が、病院に搬送されたドラミニを見舞い、「そのときの恐ろしい経験を直接聞いた」とツイッター(Twitter)に投稿し、「関係者全員を停職処分にし、独立調査を実施するようSANParksに指示した」と明らかにした。

 24歳のドラミニは、NTT(旧ディメンションデータ〈Dimension Data〉)の選手として今年のブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2019)に出場。来年の東京五輪を目指している同選手の今回のけがについて、チームは「大打撃」であると訴えた。(c)AFP