【12月27日 AFP】オーストラリア政府は英国人をターゲットとする新たな観光客誘致キャンペーンを開始し、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる騒動に疲れ切った人々に、地球の裏側でのんびりしようと呼び掛けている。

「Matesong(友だちの歌)」と題する約3分間のプロモーション映像には、ロンドンを拠点とするオーストラリア出身の歌手、カイリー・ミノーグ(Kylie Minogue)さん(51)を起用。エリザベス女王(Queen Elizabeth II、93)のクリスマス恒例のビデオメッセージがテレビで放送される直前、初めて放映した。

 ミノーグさんは最初、堅苦しい服を着て、女王の別荘がある英国のサンドリンガム(Sandringham)らしき場所にいるが、セットの壁が倒れると景色が一変。オーストラリアにある同名の土地、サンドリンガムの海岸が現れる。

 英国の場面では、ミノーグさんが「きつくて頭がこんがらがりそうな1年だったけど、話は進んでいる」と歌い出したところに、オーストラリア人のコメディアン、アダム・ヒル(Adam Hill)さんが突然現れ、「すごーく、ゆっくりだけどね」と口を挟む。海岸に場面が移ると、ミノーグさんは「オーストラリアの人たちはみんな、あなたのことが大好き。悪く言ったりもしない」と続ける。

 ミノーグさんはその後の歌詞でも、「難しい貿易協定の交渉は、ひどいものだから」という部分でブレグジットに言及している。

 オーストラリア政府観光局(Tourism Australia)によれば、今回のキャンペーンの費用は1500万オーストラリア・ドル(約11億円)で、英市場への投資としては過去10年以上なかった規模。

 同局は「英国が先行き不透明な状況にある中、親しみやすいミュージカル風の映像は、オーストラリアが両国間の深く長期的な結び付きをたたえ、友情の手を差し伸べていることを象徴している」と説明した。

 映像は英国が真冬に向かう季節を狙って作られた。一方、オーストラリア各地では壊滅的な林野火災が数か月続いており、観光業界がその悪影響を見極めようとしている。(c)AFP