【12月31日 CNS】中国・陝西省(Shaanxi)考古研究院によると、先ごろ、同院の研究者は、秦の首都だった咸陽城(Xianyang)の中心保護区で、石でできた甲冑(かっちゅう)の制作遺跡を発見した。

 1998年に秦の始皇帝陵で副葬品を埋めた穴が発見され、その中から大量の石でできた鎧(よろい)や兜(かぶと)が出土した。2001年には、始皇帝陵の北約4.5キロにある新豊鎮(Xinfeng)長条村(Changtiao)で、秦の時代につくられた井戸が発見され、初めて生産場所が明らかになった。

 2019年7月、始皇帝陵から約40キロにある秦の咸陽城遺跡の中心区で類似の遺跡が発見された。これまでの研究により、この地域にはかつて30を超える大型建築が散在しており、秦朝の歴代皇帝が日々の政務を執り行った「咸陽宮」と宮廷に属する手工業工房と倉庫が含まれていることが確認されている。

 陝西省考古研究院の現地事務所には、きれいに洗浄された甲冑の石片が置かれている。青色の石灰石で、甲冑の部品としてほぼ完成品に近い状態のものや、文字が彫られた石片もある。これらの特徴は、秦の始皇帝陵で発見されたものと完全に一致しているという。(c)CNS/JCM/AFPBB News