【12月26日 AFP】香港の尖沙咀(Tsim Sha Tsui)地区にある飲食店が25日、民主派デモを支持する人々に無料でクリスマスのディナーを振る舞った。発案者は、香港理工大学(Hong Kong Polytechnic University)が警察に包囲されていた間、学内に残って立てこもったデモ隊に食事を提供し続けていた料理人だという。

 この料理人の男性は24日夜、警察に逮捕されたが、飲食店では予定どおり無料ディナーを振る舞うと決定した。訪れた人々からの寄付は全額、料理人の男性の支援に使われるという。

 香港市内では25日も、前日ほどの規模ではないものの各地で警察とデモ隊の衝突が発生。警察は、市内の複数の商業施設などで小規模なフラッシュモブ型の抗議行動を繰り返すデモ隊に、催涙スプレーや催涙弾を使用した。

 親中派の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)香港行政長官はフェイスブック(Facebook)への投稿で、「向こう見ずで利己的な暴徒ら」がクリスマスの「祝賀ムードをそいでいる」とデモ隊を非難した。

 しかし、飲食店の無料ディナーにやってきたデモ参加者のジャクソンさんは、「香港で最も利己的で傲慢(ごうまん)なのは、キャリー・ラムだ。クリスマスが本来のクリスマスではなくなり、祝えない日となってしまったのは彼女のせいだ。デモ隊や『暴徒』の責任ではない」と主張。

 店の前にできた数百人の行列の中にいたIT技術者のマクさんも、「政府は逮捕や脅しで人々を黙らせられると考えているが、香港市民はこれまで数か月にわたり、勇気と忍耐力を証明し続けている」とAFPに語った。(c)AFP