【12月26日 AFP】(更新)英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、93)は25日、クリスマス恒例のビデオメッセージをテレビを通じて発表した。その中で女王は、2019年を「非常に多難な」年だったと振り返っている。

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 差し迫る英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐって国内は分裂し、英王室は複数のスキャンダルにのみ込まれた。中でも、エリザベス女王の息子アンドルー王子(Prince Andrew)は、未成年少女を性的目的で人身取引した罪で起訴された米富豪、故ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Epstein)被告との交友関係をめぐり公務から身を引くことを余儀なくされた。

 アンドルー王子は英BBC放送のインタビューでエプスタイン被告の被害女性の一人と性行為に及んだとの疑惑を否定して幕引きを図ったが、嘲笑を浴び、バッキンガム宮殿(Buckingham Palace)内部でも批判されたと報じられている。

 公開されたメッセージで女王は、イエス・キリスト(Jesus Christ)の人生は和解の重要さを指し示していると述べ、「もちろん、道は常に平たんであるとは限らない。今年は時折非常に多難だと感じることもあったかもしれない。しかし、小さな歩みによって大きな変化をもたらすことはできる」と語っている。

 また第2次世界大戦(World War II)に触れ、若いときに困難を耐え忍んだ自分の世代と現代の若者たちを並べ、「今日、多くの人々が直面している問題は、かつて私の世代が直面していた問題とは違うかもしれない。けれど新しい世代の人々が、環境保護のような問題に同様の目的意識を持っていることに感銘を受けている」と述べた。

 映像はBBC提供。(c)AFP/Dmitry ZAKS