【12月25日 AFP】フランス・パリのオペラ座(Opera)で24日、政府の年金制度改革に抗議して続けられているストライキへの支持を表明しようと、白いチュチュに身を包んだバレエダンサーらが建物前の階段で「白鳥の湖(Swan Lake)」の一幕を披露した。

 クリスマスイブの曇り空の下、およそ40人のダンサーが、「パリ・オペラ座 スト実行中」「文化が危機にさらされている」と書かれた横断幕を背景に、チャイコフスキー(Pyotr Tchaikovsky)の「白鳥の湖」第4幕を踊った。

 政府が提示している改革案は、現在42種類ある年金制度を、ポイント制で支給額を算定する制度に一本化するというもの。バレエダンサーをはじめ公共部門の職員らは、この案に反対を表明している。

 定年が一般よりも早いオペラ座のダンサーに関しては、42歳で退職することが可能な特例年金制度がある。この制度は1698年にルイ14世(King Louis XIV)が導入したもので、フランス最古の年金制度の一つだ。

 自身もダンサーでストの代表者を務めるアレクサンドル・カルニアト(Alexandre Carniato)さんは、ストライキ中であってもクリスマスイブに優雅なひとときを提供したかったと述べ、「寒いけれど、ダンサーたちは皆困難に立ち向かうことに積極的で、ミュージシャンたちも協力してくれた」と説明した。

 ストライキで公共交通はまひしており、オペラ座も24日に予定されていたものを含め、多数の公演が中止された。(c)AFP