【12月25日 AFP】ドーピングの検査データの改ざんにより、4年間の出場禁止処分を科されたロシアが24日、2020年東京五輪に国として出場することに自信をのぞかせた。

 ロシア五輪委員会(ROC)のスタニスラフ・ポズドニャコフ(Stanislav Pozdnyakov)会長が、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)との会合後に会見を行い、「ROCは五輪運動の正当な一員だ」「それゆえ、われわれには東京五輪に向けてチームを結成できると考える十分な理由があるし、選手がロシアの三色旗の下で出場できるよう、全力を尽くしていきたい」と話した。

 ロシアは今月、世界反ドーピング機関(WADA)に検査データの改ざんを認定され、東京五輪や2022年のサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)など、主要国際大会への出場を4年間禁止する処分を下された。WADAは今年初めにロシアへ調査官を派遣し、薬物の検査所からデータを引き取ったが、その際、ロシア側がデータを改ざんしたと批判している。

 この処分に対して、ロシアはウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が政治的な措置だと非難するなど、当初から異議を申し立てる意思を示していた。そして前週、RUSADAが処分に「同意しないことを決めた」と話し、ROCもこの日、その決定を支持することを発表した。

 今後は年内にこの決定をWADAへ通達し、スポーツ仲裁裁判所(CAS)への異議申し立ての手続きを始める。

 国としては追放されたロシアだが、選手は国家ぐるみとされるドーピングに加担していないことを証明できれば、中立の立場で来年の東京五輪や2022年の北京冬季五輪に出場できる。(c)AFP