【12月26日 Xinhua News】中国香港特別行政区政府の康楽・文化事務署と北京の故宮博物院が共同で主催する「内里乾坤-故宮文化財修復展」が今月14日から来年3月18日まで香港科学館で開催されている。

 故宮博物院が収蔵する修復文化財の中から、青銅器や時計、紡織品、チベット仏教の仏画タンカ、漆器、陶磁器など、よりすぐりの100点(組)余りを展示。科学技術が文化財修復に活用される様子を紹介する。

 合金の人面の仮面「人面紋牌飾」は中でも注目の逸品の一つで、遼代(916~1125年)の副葬品と考えられている。文化財修復の専門家が3Dプリント技術によって欠落部分を補うとともに、拭き取りやすい溶液を用い、樹脂と無酸紙を組み合わせて仮面を裏側から補強した。

 文字を彫刻したついたて型の置物「彫羅漢寿字插屏」は、かなり前から激しく変形していた。専門家がX線を照射して内部構造を解析したところ、内部が横方向に10本、縦方向に2本の針金で支えられていることが判明。そこで、これらのデータに基づき、挿屏の整形と修復計画が策定された。

 同展ではこのほか、文化財修復弁事処の仕事に焦点を当てた。百年近い歴史を持つ313号列車の車両と中国が輸出した油絵「朝覲図」(ちょうきんず、拝謁図)の修復プロセスの展示を通じて、修復作業と専門技術をわかりやすく紹介している。(c)Xinhua News/AFPBB News