【12月26日 Xinhua News】中国山東省(Shandong)青島市(Qingdao)の琅琊台(Langyatai)遺跡の考古発掘調査でこのほど、新たな進展がみられ、遺跡の山頂部分から2000年以上前の秦漢時代の大型版築(はんちく)土台や排水遺構、建物基礎が見つかった。広大な規模と緻密な建設技術は、同地に当時、格式の高い大型古代建築が存在していたことを示唆している。

 山東省文物考古研究院と青島市文物保護考古研究所の合同調査チームは10月末、国家文物局の許可を得て、琅琊台遺跡の発掘調査を正式に開始した。

 遺跡は西海岸新区琅琊鎮にあり、山頂部分の版築土台(大台)と海辺の版築土台(小台)の2カ所からなる。発掘調査は秦漢時代の琅琊文化の解明を主眼に実施された。頂上部の第1発掘地点では、3本の整った陶製配管が整然と並ぶ様子が見て取れた。配管は太く厚みがあり、両端の口径を変えることで連結できるようになっている。現代の排水管によく似ている。

 合同調査チームの彭峪(Peng Yu)さんは、これまでに出土した配管の長さは約12メートルで、1本は20数個の連結パーツからなると説明。各パーツの長さは約60センチと比較的大きく、口の広い方の口径は約45センチあると語った。また、古代建築の排水管は1本が主流だとし「2本も多くない。3本が整然と並ぶケースは極めて少ない」と述べた。

 第1発掘地点からそれほど遠くない場所にある第2発掘地点では、秦漢時代の石造りの床に開けられた排水口が見つかった。くぼみを作るように敷かれた六つの大小異なる石の中心部の石に四角形の小さな穴が開けられている。穴の形状と精密な作りから室内排水用だと暫定的に判断された。

 秦漢時代の政治の中心は陝西省(Shaanxi)一帯であり、琅琊台は山東地域でも数少ない同時代の皇帝巡幸に関係のある遺跡とされる。文献には秦の始皇帝や漢の皇帝が琅琊台に巡幸したと記されており、今回の発掘調査を見ても、この場所にかつて皇帝と直接関わりのある格式の高い皇室建造物が存在していた可能性は排除できない。

 果たしてどのような皇室建造物だったのか。考古学界の見解は現時点で一致していない。ある者はきらびやかな行宮だったといい、ある者は始皇帝が建てた祭祀(さいし)台だったと推測する。琅琊台の発掘調査がさらに進展すれば、始皇帝がなぜ同地を3度も巡幸したかという1000年の歴史の謎も明らかにされるかもしれない。(c)Xinhua News/AFPBB News