【12月27日 CNS】阿里巴巴(アリババ、Alibaba)系ネット通販プラットフォーム「聚劃算(Juhuasuan)」は先日、総額100億元(約1560億円)の利益還元セールを始めることを発表。今後は常態化していく。3大ネット通販の「アリババ」「京東(JD.com)」と「拼多多(pinduoduo)」の中では、始動が最も遅くなった。

 今年の5月に「拼多多」は他社に先駆け、100億元の利益還元セールを始動。ブランド品企業と共同で100億元を消費者に還元し、10000種の価格破壊商品を販売したとされる。これに続いて6月、「京東」も恒例の開店記念日セールで100億元の利益還元セールを始動。「双12(12月12日ショッピングカーニバル)」では、2回目の100億元を追加し、「双12」と「新年セール」などの期間販売に適用するとしている。

■100億元はどんな商品で還元されるのか?

「聚劃算」によると、1回目の100億元還元の対象は、「iPhone(アイフォーン)」、ダイソン(Dyson)のドライヤー、任天堂(Nintendo)ゲーム機など数十種の優良商品としている。「iPhone 11(イレブン)」の価格は4499元(約7万200円)、ダイソンV8掃除機の価格は2099元(約3万3000円)だ。

「京東」によると、主に消費者から高い評価を受け、爆発的に売れている商品を対象として還元している。高価格品と低価格品を問わず、全商品が対象という。

「拼多多」が還元を行う商品も対象が広い。ダイソンや「iPhone 11」、そして肉類やフルーツなどの食品も還元対象となる。「拼多多」は画面表示に配慮し、どの商品が100億元の還元対象か画面上で明示し、一目瞭然となっているという。

■消費者は実際にメリットを受けているか?

 記者の観察によると、一部のネット通販プラットフォームでは、服装や靴などの価格が分かりにくい非標準型商品で利益還元を行っており、希望小売価格が公表されている標準品では還元がない。

 また、あるプラットフォームでは、同じ商品で同じように利益還元対象品としながらも、ある店舗では79元(約1232円)、別の店舗では239元(約3728円)と、まったく異なる価格となっている奇異な現象も見受けられる。

 専門家の分析によると、いわゆる「100億元の利益還元」の実体は不透明で、消費者がメリットを取るためには、自分の目で調べて確かめる必要があるという。格安品はたしかにあるが、高い商品と格安品が混ざっているので要注意だという。(c)CNS/JCM/AFPBB News