【12月24日 東方新報】マカオ(Macau)の中国返還から今月20日で20周年を迎え、現地では盛大な祝賀会が開催された。また、マカオ特別行政区第5期の賀一誠(He Yicheng)行政長官就任式典も併せて行われた。

 祝賀会に出席した習近平(Xi Jinping)主席は「マカオは歴史上最も良い発展の局面を迎え、マカオの特色ある『一国二制度』が成功を収めている」と祝辞を述べた。

 1999年の返還から2018年まで、マカオの国内総生産(GDP)は年平均7.7%の伸びを示し、1人当たりのGDPは12万パタカ(マカオの通貨、約163万2000円)から67万パタカ(約911万2000円)に増加して、世界の前列に位置するまでになった。失業率は6.3%から1.8%に低下し、就業人口の月収の中央値は4920パタカ(約6万7000円)から1万6000パタカ(約21万7000円)まで上昇した。

 マカオの経済構造は日増しに多元化し、ギャンブル業への依存度は低下しつつある。マカオ経済全体に占めるギャンブル分野の比重は、13年の63.1%から18年の50.5%まで低下し、非ギャンブル分野が50%近くを占めるようになった。なかでも展覧・催事業、金融業、漢方医療および文化産業のGDP合計金額の伸びが2015年比で36.5%増加した。

 マカオの面積は限られ、人口密度は高い。しかし設備が整ったホテルや宿泊施設、特色ある飲食店、娯楽やショー関係の店舗、ショッピングセンターなどの施設とサービスが完備されているので、カジノに頼らない観光事業を大々的に発展させる条件はそろっている。

 また、マカオは「中国―ポルトガル語圏諸国間経済貿易協力フォーラム」をよりどころにし、「中国とポルトガル語圏の諸国との商業貿易協力サービスプラットフォーム」の構築を発展の基盤として、継続的な経済発展空間の拡大が可能である。

 マカオの科学技術の優位性もまた、適度な多元的経済発展に寄与できる。現在マカオには「ミクロ電子」「漢方薬の品質」「都市スマート物流網」「月と宇宙の科学」の四つの国家重点実験室が設けられている。このほか、マカオは香港と共に「国家級イノベーション空間」を設立、科学技術イノベーションと企業の発展を推進している。

 香港のデモが続く中、中国と香港・マカオの「一国二制度」が続けられるのかという疑問の声が国際的に聞こえる中、中国はマカオ返還20周年の成果を強調することで、「一国二制度」の的確性を強調したいと希望している。(c)東方新報/AFPBB News