寧波市など三省四地増加、金融改革テスト区
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【12月30日 東方新報】中国国務院は先日、福建省(Fujian)寧徳市(Ningde)、竜岩市(Longyan)および浙江省(Zhejiang)寧波市(Ningbo)に「包括的金融改革テスト区」の設置を正式に批准した。甘粛省(Gansu)蘭州(Lanzhou)新区に「グリーン投資金融改革イノベーションテスト区」の設置も批准。これで中国は国家レベルの金融改革試験区はさらに三省四地増えたことになる。
この三省四地が選ばれた背景には、それぞれの地域的特色が関係ある。浙江省寧波市は東部沿海経済発展地域にあり、民営経済が発達するが、零細企業の集中地域だ。福建省寧徳市、竜岩市は共に革命老区(共産革命拠点となった地)に属し、比較的民営経済が遅れ、都市と農村部、社会階層間での金融資源の不均衡問題が突出した地域。国務院としては零細企業集中地域や貧困地域での金融改革テストによってより幅広い経験とデータを蓄積したい考えだ。
また、第五の国家レベル新区である蘭州新区は、シルクロード経済帯とユーラシア大陸をつなぐ重要拠点と見なされており、環境保護・エコロジーに考慮したグリーン投資金融改革イノベーションテスト区として、プロジェクトを集中して行う。西部地域の欠点である生態系の脆弱(ぜいじゃく)性を克服しつつ、金融イノベーションの発展の新たな道を開く試みに挑戦する。
10日に竜岩市で行われた「『四省三地』金融改革テスト区始動記念交流イベント」の席上で、陳雨露(Chen Yulu)人民銀行副行長は、今回の四省三地金融改革テスト区の設置について「金融のサプライサイドの構造改革と経済のハイクリオリティ発展の重要手段を推進していくことであり、発展のピークシフト(発展の平準化)を形成する上で助けとなる」と高く評価。「それぞれの特色を備えた地域での金融改革テストは、金融サービスの実体経済能力をさらに半期させ、全国のグリーン投資と包括型金融改革のさらなる模倣可能な経験の蓄積となるだろう」とその意義を語った。
陳副行長によれば、10月末に開催された四中全会(第四回中央委員会全体会議)でも、健全で高度な適応性、競争性、包括性を備えた現代金融システムがマクロ的な目標として提言されており、イノベーション、協調、グリーン、開放、ウィンウィンの5つの新発展理念を掲げた区域ごとの金融改革テスト区を設置することが急がれているという。
金融改革テスト区は、浙江省温州市(Wenzhou)に2012年3月に金融総合改革テスト区が設置されたのを皮切りに、広東省(Guangdong)珠江(Zhujiang)デルタ、福建省泉州市(Quanzhou)、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)防城港市(Fangchenggang)、山東省(Shandong)青島市(Qingdao)などで始動。零細企業支援に特化した包括的金融改革テスト区は2016年に河南省(Henan)蘭考県(Lankao)で始動。グリーン投資金融改革テスト区も浙江省、広西チワン族自治区など五省・区にすでに設置されている。(c)東方新報/AFPBB News