【12月24日 Xinhua News】中国電子商取引(EC)大手のアリババグループ(Alibaba Group)は18日、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で開催した「ONE商業大会(Alibaba ONE Business Conference)」で、2020年に向けた企業成長の三大キーワードとして「新顧客、新製品、新組織」を発表。この三つの要素が未来の企業成長の新たな方法論を形作ると表明した。

 アリババグループ副総裁で企業サービスシステム秘書長の靖捷(ジェット・ジン)氏は、同社が今年、企業向けの「アリババ・ビジネスオペレーティング・システム」を発表して以降、多くの企業がアリババの集約した能力を活用し、全方位的なデジタル化を進め、業績の急成長を実現したと説明。消費小売り分野を皮切りに各業界でデジタル化とインテリジェント化の革命を巻き起こしたと述べた。

 同社によると、アリババ傘下のECサイト「天猫(Tmall)」を通じて企業が発売した新製品は、9月時点で9000万種類を超えた。また、ブランドショップがこの半年でECチャネルを通じて獲得した新規顧客は9億人を超えている。

 中国の菓子メーカー、良品舗子の楊銀芬(Yang Yinfen)総裁は、デジタル・インテリジェンス化への転換を通じ、オンラインとオフラインを結合させ、サービス範囲を拡大させたことで、1年もたたずに深圳(Shenzhen)全域に販売網を広げることができたと述べた。

 靖氏は「プロダクト・イノベーション能力こそ企業のコア競争力。より速い新製品開発ペースとより高い新製品成功率が、ブランド業績の持続的成長のエンジンになる」と語る。

 中国のキッチン家電メーカー、九陽集団(ジョヤング)の葉勇(Ye Yong)副総裁は、デジタル技術のミドルウェアプラットフォームの助けを借りることで、消費者評価と市場動向を分析して新製品をカスタマイズできるだけでなく、販売量の予測に基づく適切な生産能力配置も可能になると説明した。

 アリババは今年1月11日に開いた第1回ONE商業大会で、企業向けオペレーションシステムを初めて公開。ブランドや商品、販売、マーケティング、チャンネル管理、サービス、資金、物流サプライチェーン、製造、組織、IT(情報技術)システムなど11要素をデジタル化、インテリジェント化することで、ビジネス成長の新たな活力を引き出していくと表明した。

 アリババグループ董事局主席兼最高経営責任者(CEO)の張勇(ダニエル・チャン)氏は、「アリババの企業向けオペレーションシステムは製品でありツールだが、まず先に理念であり方法論でもある。アリババはある種の能力を送り出すことを願っており、それらの能力が企業内部の能力と交錯し合い、融合してこそ、真の意味での化学反応を生み出せる」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News