【12月23日 AFP】刑務所内で犯罪組織絡みの殺人が相次いでいる中米ホンジュラスで、軍と警察が統制の回復を試みる中、22日にも刑務所1か所で新たに衝突が起き、死者はこの週末だけで計36人に上った。

 22日午後に衝突が発生したのは、首都テグシガルパの北方60キロにある刑務所。犯罪組織の構成員18人が死亡した。

 治安当局は地元メディアに対し、「銃器やナイフ、マチェーテ(なた)」を使った乱闘となり、負傷者も10人いると明かした。

 20日夜にも、テグシガルパ北西部の港町テラ(Tela)の刑務所で発砲があり、受刑者18人が死亡、16人が負傷していた。

 今月14日にテグシガルパ東部ラトルバ(La Tolva)にある重警備の刑務所で、危険視されている犯罪組織「マラ・サルバトルチャ(Mara SalvatruchaMS-13)」の構成員5人が受刑者1人に殺害されたことを受け、フアン・オルランド・エルナンデス(Juan Orlando Hernandez)大統領が取り締まりの強化を宣言。

 17日には、国内27か所の刑務所を軍と警察の管理下に置くよう命じていた。これら27か所には受刑者約2万1000人が収容されており、超過密状態にある。

 治安当局はその後、「高リスク」とされる刑務所18か所に兵士と警察官合わせて約1200人を配置すると発表していた。(c)AFP