【12月23日 AFP】(更新)英首都ロンドンの少女が購入したクリスマスカードの中に、中国・上海の青浦刑務所(Qingpu Prison)に収容されている受刑者らが書いたとされるメッセージを発見したと英紙が報じたことについて、中国政府は23日、受刑者らが強制労働に従事させられているとの疑惑を否定した。

 外務省の耿爽(Geng Shuang)副報道局長は首都北京で開いた定例記者会見で、「複数の関係部局に説明を求めたところ、青浦刑務所では外国人受刑者による強制労働の実態は一切ないと、責任をもって言える」と述べた。

 英紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)は先週末、スーパーマーケット大手「テスコ(Tesco)」がチャリティーの資金調達のために販売したカードから、制作者である受刑者からの助けを求めるメッセージが見つかったと報道。これを受けてテスコは、中国の工場での生産を中止したと発表していた。

 しかし中国側は、この指摘が「でっち上げ」だとして一蹴。

 耿氏はさらに、記事を執筆した元ジャーナリストで、自身も同刑務所に収監され、2015年に釈放されたというピーター・ハンフリー(Peter Humphrey)氏を批判し、「自己宣伝」のために「茶番」を演じたと断じた。

 サンタクロースの帽子をかぶった子猫が描かれたこのカードには、「私たちは中国・上海の青浦刑務所の外国人受刑者です。意思に反して労働を強いられています。どうか私たちを助けてください。人権団体に知らせてください」と書かれていた。

 さらに、ハンフリー氏に連絡を取るよう発見者に依頼する内容が記されており、少女の父親がこれに応じた。そして同氏が、記事をサンデー・タイムズに持ち込んだ。(c)AFP