【12月23日 AFP】フランスで年金制度改革案に反対して行われている大規模なストライキは22日、18日目を迎えた。交通まひがさらに悪化し、クリスマス休暇の旅行者らが代替交通機関に殺到して混乱が生じた。

 コートジボワールを訪問中のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は21日、休暇中の「停戦」を要請。18日には政府と各労働組合の協議が行われたものの、こう着状態の緩和には至らず、組合側はストの続行を呼び掛けていた。

 マクロン政権は現在42種類に分かれている年金制度の一本化を進めているが、これによって公的セクターの職員が年金制度から受ける恩恵の一部がなくなる。フランス国鉄(SNCF)とパリ交通公団(RATP)の労働者らは、抗議のために仕事を放棄してストに突入している。

 クリスマス休暇に家族や友人と会うため多くの人が出掛けようとする中、交通機関の混乱は22日にさらに悪化。鉄道の運行本数は、高速鉄道TGVでは通常の半分、都市間を結ぶ列車は4分の1にとどまった。SNCFは旅行者に対し、旅行の中止か延期を求めた。

 22日は、クリスマス前の最後の日曜日。この日パリ地域では、通勤列車がまばらにしか運行されず、地下鉄は16路線のうちわずか2路線しか利用できなかった。

 RATPによると、23日には地下鉄10路線が運転再開される見込みだが、自動運転の2路線以外は本数が減らされる。主な通勤列車はラッシュアワーに本数を減らして運行されるという。SNCFは、TGVは運行本数が通常の5分の2程度に減り、国際列車にも影響が出るとしている。(c)AFP/Mariëtte Le Roux