【12月22日 東方新報】中国の航空大手「中国南方航空(China Southern Airlines)」と英国の航空大手「ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)」が17日、北京の大興国際空港(Beijing Daxing International Airport)で業務提携協定に署名した。これは中国と英国の航空市場で初めての業務提携であり、両国の観光市場の拡大とビジネスの活性化に寄与することが期待される。

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 1916年に創業したブリティッシュ・エアウェイズは、世界で長い歴史を誇る航空会社の一つで、約100か国・200都市以上に運航している。近年、英国の欧州連合(EU)から離脱する動きに合わせて、アジアを重視する姿勢を打ち出している。

 一方、中国南方航空は、南部・広州(Guangzhou)をハブとする国内線中心の航空会社で、吸収・合併を繰り返して成長。今年9月にカタール航空と共同運航(コードシェア)の開始に合意するなど、国際線の拡充に力を入れている。

 近年、中英間の人的往来が急増し、航空需要は急速な成長期に入っている。2018年9月から2019年8月まで、中国―英国間の双方向アウトバウンド旅客数は240万人に達し、前年比で18.2%増加した。2018年から中国と米国の間で貿易摩擦が拡大し、対外ビジネスの拠点を米国から欧州へ移転する中国企業が増えたことが背景にある。この傾向は継続する可能性が高いとみられる。

 協定によると、2020年1月2日から、中国と英国間の主要運航路線とそれらを結ぶすべての中国と英国の国内運航路線で提携運航を開始し、ロンドン―北京、広州―ロンドン、ロンドン―上海など6つの主要路線、および双方が国内の8路線でコードシェアを実施する。また、往復便を増やし、運賃を引き下げると同時に、地上でのサービスも充実化させる。

 もう一つ注目すべき点は、業務を展開する主要空港となるのは、今年9月に開港したばかりの北京大興国際空港であることだ。中国南方航空は同空港を本部に置く最大の航空会社であり、来年までに北京発着のフライトの6割以上を北京首都国際空港(Beijing Capital International Airport)などから大興国際空港に移転することを計画している。

 一方、ブリティッシュ・エアウェイズは10月に、外国の航空会社として初めて同空港に全事業を移転している。両社の業務提携により、アジアのハブ空港を目指す北京大興国際空港にとって追い風となる。(c)東方新報/AFPBB News