【12月22日 AFP】中国南部の広東(Guangdong)省で、火葬場の建設計画や建設のうわさが住民らの激しい抗議行動を引き起こす事態に発展した。地元当局によると、火炎瓶を投げるなど住民らの抗議行動は過激化している。当局が厳重に情報を管理し、抗議行動が直ちに鎮圧される中国で、このような激しいデモの光景が見られるのは異例だ。

 報道によれば、広東省南西部の文楼(Wenlou)で数週間前、火葬場が建設されると聞いて怒った住民らの抗議デモがあり、動員された機動隊が催涙弾を用いてデモを制圧した。政府は「社会秩序」を乱すいかなる違法行為も「厳重に取り締まり、厳しく処罰する」と言い渡したが、最終的に火葬場の建設計画は撤回された。

 文楼にほど近い播揚(Boyang)でも16日、住民らの抗議デモが発生。文楼で建設中止となった火葬場が播揚に建設されるとのうわさが発端になったとみられる。地元警察は「犯罪者たちは火炎瓶を投げ付け、破壊や故意に警察官を傷つけるなどの違法行為に及んだ」とデモを批判した。
 
 地元政府も同日、ネット上に公開した声明文でうわさを否定し、虚偽の情報がメッセンジャーアプリ「微信(WeChat、ウィーチャット)」で拡散されていると非難した。地元当局によれば、播揚で建設が計画されているのは、火葬場ではなく浄水施設だという。

 警察は、公安当局による捜査が現在行われていると発表し、火葬場に関するうわさの拡散に関与した者に対し、名乗り出るよう促した。(c)AFP