「勝利」でなく未来に残る「レガシー」、ジョコ突き動かすモチベーション
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【12月22日 AFP】男子テニス、世界ランキング2位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、キャリアの現時点におけるモチベーションの源は、単に目の前の試合に勝ったりトロフィーを獲得したりすることではなく、未来に残るレガシーを確立することだと話した。
ジョコビッチは、男子では1969年以来となる四大大会(グランドスラム)4連勝の偉業を達成した後、去年の中ごろまで約2年間にわたり、モチベーションの問題に苦しんでいると明かしていたが、再び刺激を見いだして現在はグランドスラムの通算優勝回数を16にまで伸ばしている。
グランドスラムの最多優勝回数をめぐり、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)とラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)と激しい争いを繰り広げているジョコビッチだが、今の自分を突き動かしているのは、そうした数字以上のものだという。
21日、アラブ首長国連邦(UAE)・アブダビで開催されたエキシビション大会、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)で大会3位になったジョコビッチは、「その源泉が何であれ、常に自分に燃料を供給し続けなければならない」と話し、以下のように続けた。
「重要なのは、目的や理由、プレーすることの意味を見つけるということだと思う。個人的にはここ数年、試合に勝ったり、トロフィーを掲げたりということだけではなくなっている」「個人の功績より大きなものでなくてはならない。他人、特に子どもたちに刺激を与えるようなレガシーに関わるものだ」
男子のグランドスラム優勝回数では、フェデラーが20回で歴代最多を誇り、ナダルは19回で肉薄してきているが、ジョコビッチはフェデラーとナダルよりも若く、二人との差を詰める可能性はある。
記録を破ることが意欲につながるかと問われたジョコビッチは、「それは目標の一つ」「自分の記録を更新し、さらなる高みへ引き上げることは競技を続けるモチベーションになっている」と答えた。
「テニスをプレーすることを愛しているから、練習コートにいるのも好きだ。だが、勝負が懸かったテニスは別物。プロテニスプレーヤーとして、そして最高峰のレベルで戦うには、本当に目標が必要なんだ。日々の目標、月ごとの目標、年間の目標といったように」
「だから自分も他の選手と同じように目標がある。もちろん、歴史を懸けて戦ったり、さらに大きなものを成し遂げる可能性があったりと、特別な立場にいるのは自覚している。同様にそうしたことにも駆り立てられている」 (c)AFP/Reem ABULLEIL