【12月22日 AFP】4月の大火災で大きく損傷し、修復再建工事が続けられている仏パリの歴史的建造物ノートルダム大聖堂(Notre Dame Cathedral)で今年のクリスマスミサが執り行われないことが21日、分かった。ノートルダム大聖堂でクリスマスミサが行われないのは1803年以来。

 大聖堂の広報によると、パトリック・ショーべ(Patrick Chauvet)主任司祭がクリスマスイブの深夜にミサを執り行うが、場所は近隣のサンジェルマン・ロクセロワ(Saint-Germain l'Auxerrois)教会になるという。

 ゴシック様式のノートルダム大聖堂は、「パリのセーヌ(Seine)河岸」の一部として国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されているが、4月15日の火災で尖塔(せんとう)と屋根、多数の貴重な遺物を失った。

 ノートルダム大聖堂のクリスマスミサは、動乱の時代も多々あった中、2世紀にわたって続けられ、第2次世界大戦(World War II)中のナチス・ドイツ(Nazi)占領下でも行われた。実施できなかったのは、18世紀末から19世紀初めにかけてのフランス革命期における反キリスト教運動の時代だけだった。(c)AFP/Jean-Louis DE LA VAISSIERE