【12月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が20日、2020会計年度の国防予算の大枠を定めた国防権限法(NDAA)に署名し、陸海空軍など五つの軍と同格の宇宙軍(Space Force)を発足させた。

 NDAAは上院で17日、賛成86反対8で可決された。予算総額は、昨年の7160億ドル(約78兆3000億円)から7380億ドル(約80兆7000億円)に大幅に増加され、アフガニスタンでの戦闘活動や、造船、ロシアに対する諜報(ちょうほう)活動の強化、無人機を含む航空艦隊の拡大まで、広範囲に及ぶ軍の活動資金が盛り込まれた。米兵数も、過去10年で最高となる3.1%の増加が定められた。

 同法の成立で特に注目されるのは、宇宙を拠点とした軍組織の設立だ。陸軍、海軍、空軍、海兵隊、沿岸警備隊に並ぶ6番目の軍となり、海軍省下にある海兵隊のように、空軍省下に置かれる見通し。

 宇宙領域における米国の優位は中国、ロシアによって徐々に弱まっているとの見方を米軍幹部らが示す中、トランプ氏は8月、宇宙空間での戦闘活動に向けた11番目の統合軍「宇宙軍(Space Command)」を創設。これは大統領の発案で設立されたもので、今回発足した大規模な宇宙軍(Space Force)の一部。後者の設立には議会の承認が必要とされていた。(c)AFP/ Michael Mathes