【12月23日 Xinhua News】量子トンネルの通過時間に関する研究が新たな進展を得た。中国、ロシア、オーストラリアの研究者で構成された共同研究チームが新しい方法により、量子トンネルの通過時間が10アト秒(1アト秒=100京分の1秒)以内であることを測定した。研究成果はこのほど、国際的物理学誌「Physical Review Letters」に掲載された。

 量子トンネルとは、電子などの粒子が自身のポテンシャル障壁を通り抜ける「奇異な」行為で、粒子の「壁抜けの術」と捉えることができる。

 中国科学院精密測量科学・技術創新研究院の柳暁軍(Liu Xiaojun)氏は、今回の研究で提起した新たな「分子アト秒」法について、他の複雑な分子体系での応用が期待でき、分子結合や分子軌道の対称性など、複雑な分子特性が強レーザー場トンネルの電離プロセスに与える影響に関する研究をさらに進めることができると指摘。量子トンネル通過時間に関する問題への理解が一層深まるとの見解を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News