王者ナダル、短い休養で勢い持続し新シーズン突入目指す
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【12月21日 AFP】男子テニス、世界ランク1位のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は20日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで行われているエキシビション大会、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)での好調なパフォーマンスに自分自身で驚きながらも、新シーズンに向けて手応えをつかんだ。
この日、世界17位のカレン・ハチャノフ(Karen Khachanov、ロシア)に6-1、6-3で圧勝したナダルは、満足な成績で締めくくった2019年シーズンの勢いを持続したまま来年を迎えられることを示した。
試合後の記者会見では、「自分のプレーには少しばかり驚いた。好調をキープしてシーズンを締めくくったのは、たった15日前のことだ」とすると、「(シーズン間の)時間があまりなかったのはある程度マイナス要素ではあるけれど、裏を返せば調子が良いままシーズンを終えて、その勢いがうまく続いているということだ」と語った。
一方、ハチャノフは試合を振り返り、「上級者向けの特別クラスだった。ラファ(ナダル)には受講料がいくらか教えてもらわないと」とジョークを交えていた。
ナダルは21日に行われる決勝で、ギリシャのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas)を迎え撃つことになった。ATPファイナルズ(ATP Finals 2019)の王者である同選手は、この日の準決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)を3-6、7-6(7-4)、6-4で退けた。
世界ランク6位のチチパスは、大会前の記者会見で2020年の主な目標はトップ3に入ってシーズンを締めくくることだと明言。それにはナダルとジョコビッチ、そしてロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)という現在の「ビッグ3」を押しのける必要がある。
ナダルは21歳と若手のチチパスについて、「彼が高い野心を抱いているのは良いことだ」とすると、「明確な目標を掲げるのは大切だし、それをやり遂げていかなければならない。トップ3に入るのは簡単なことではなく、かなりの難題だ。ランキングの上位を目指して戦う選手はたくさんいるけれど、彼は素晴らしいシーズンを過ごしてきたし、重要な目標に向かっていくことは間違いない」と語った。
世界2位のジョコビッチもチチパスについては高い可能性を見いだしており、これまで4試合を戦い2勝を許している同選手について、「彼が試合というものを理解し、本当にアプローチがうまいことは確かだ。テニスに関して、彼はとてもプロフェッショナルで決断力にも優れている。その目標に到達するための要素はすべて備えている」との認識を示した。
「年間トップ3に入ることは、もちろん誰にとっても大きな課題だ。そのためには、シーズンを通して好調を維持していかなければならない」とも話したジョコビッチは、この日チチパスに敗れても気落ちした様子は見せておらず、来月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)で史上最多記録を更新する通算8度目のタイトル獲得を目指す中で、調子をピークに持っていく時間は十分にあると確信している。
「オフシーズンはあまり長くなかったし、プレーを再開したのもほんの最近だけれど、自分が考えていたレベルにはたどりついている。これは前向きなことだ」 (c)AFP/Reem ABULLEIL