【12月21日 AFP】英国の新議会は20日、同国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)関連法案をめぐる1回目の採決を行い、同法案を承認した。法案は離脱後の関係をめぐるEUとの激しい対立を予期させる内容となっている。

 英下院は、同法案を賛成358、反対234の賛成多数で可決。来年1月9日に再び採決を行い、同法案を正式に承認する見通しだ。

 先週の総選挙では、1月31日までに「ブレグジットを片付ける」と約束したボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相の与党・保守党が大勝を収めており、法案の可決によりこの公約実現への道が開かれることになる。

 1月31日の正式離脱後には11か月間の移行期間が設けられ、離脱前とほぼ同じ状況が続く予定。英国とEUは移行期間中、貿易から安全保障、さらにデータ保護を含むあらゆる領域で新たな包括的合意に至ることを目指し、交渉を行う。

 EU側はこうした合意には通常、数年かかると警告している。だが、ジョンソン氏は20日の議会採決にかけた法案に、移行期間の延長を禁止する文言を追加。これによって欧州当局は心理的圧力を受け、英国に対する厳しい要求の一部を撤回して大きな問題の解決を棚上げしつつ、部分的な合意に至るよう促されることとなる。(c)AFP/Dmitry ZAKS