【12月25日 CNS】中国・武漢大学(Wuhan University)の質量発展戦略研究院は18日、「中国企業総合調査(CEGS)報告書(2015~2018)」を発表し、中国の製造業企業が産業用ロボットを採用する傾向にあることが明らかになった。これにより、労働人口への影響が出始めている。機械が人間にとってかわり、低学歴者の需要が減り、高学歴者の需要が増加している。

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 同報告書は、約2000社の企業に対する調査データに基づき、労働コストの急速な上昇に対応するため、中国の製造業企業は生産のスマート化昇級を加速させている、と指摘。製造現場のスマート化とは、産業用ロボットの導入を指している。

 企業を一つの単位としてみると、今回の調査サンプルの中で、2017年にロボットを使用していた企業は13.4%に上った。この数字は2015年にはわずか8.1%にすぎなかった。

 企業の平均ロボット購入台数は2015年から2017年までの3年間、それぞれ、8.4台、9.5台、12.9台となっている。

 企業のロボットに対する投資金額を見ると、2015年から2017年までの3年間で、投資金額の年間平均増加比率は57%に達する。2017年末時点で、企業が使用中のロボットの平均資産価値は307万元(約4800万円)に達している。

 調査の対象となった企業の全雇用者総数で占めるロボットを使用している企業の割合は、2008年はわずか12%にすぎなかったのが、2017年には37%まで伸びている。

 武漢大学質量発展戦略研究院の程虹(Cheng Hong)院長は、これらの数字から推測すると、中国には約40%の製造業の労働力人口がすでにロボット使用による影響を受け始めているという。

 ロボット導入による変化を学歴別でみると、ロボット導入で9.4%の中卒とそれ以下の学歴の従業員がとってかわられ、同時に、大卒とそれ以上の学歴の従業員は3.6%増えているという。

 職種別にみると、ロボットが人にとってかわった職種は、単純反復作業と体力が必要な標準作業が3.3%減ったほか、非標準のヒトによる認識と判断が必要な職種は2.7%増加したとされる。

 程院長によると、ロボットの大量導入は一部の職種の消滅を招き、就業圧力になるという。2017年のロボット導入による労働力需要の減少幅は、全体の0.3%で、将来的にこの数字は引き続き増加する、としている。(c)CNS/JCM/AFPBB News