【12月20日 AFP】英国が欧州連合(EU)から離脱する日に、首都ロンドンの英議会議事堂の大時計「ビッグベン(Big Ben)」の鐘の音を響かせよう──「ブレグジット(Brexit)」が決定的となる中、離脱派の英議員らが一度は頓挫(とんざ)した計画の実現に向けて動き出している。英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)が19日、報じた。
 
 強硬な欧州懐疑派の議員グループを率いるマーク・フランソワ(Mark Francois)議員を筆頭に、約50人の議員団が、議会への正式な要望提出を前に意志表明を行ったという。

 ビッグベンは、議会議事堂として使用されているウェストミンスター宮殿(Palace of Westminster)の時計台「エリザベスタワー(Elizabeth Tower)」の大時計で、観光名所としても名高い。ただ、2017年8月に4年間の予定で本格的な改修工事に入り、以降は新年と、第1次世界大戦(World War I)の戦死者を追悼する「リメンバランス・サンデー(Remembrance Sunday)」にしか鳴らされていない。

 もともと議員らは、当初の離脱予定日だった2019年3月29日にビッグベンを鳴らす許可を議会に要請し、当時のジョン・バーカウ(John Bercow)下院議長に却下されていた。だが、そのバーカウ氏が退任し議会を去った今こそ「新しい時代」が訪れたとフランソワ氏はテレグラフに主張。「EU離脱という国の祝賀の一翼をビッグベンが担わないなど考えられない」と語った。

 英国は、2020年1月31日に正式にEUを離脱する予定。フランソワ氏は、「英国が再び自由の国となった事実を記念して、わが国の象徴であるビッグベンを鳴らす」運動への支持を国民に呼びかけている。(c)AFP