【12月20日 AFP】女子テニスの元世界ランキング1位で、四大大会(グランドスラム)通算5勝を誇るマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は19日、今年長期にわたり欠場することになった肩の故障を抱えているものの、プロとして戦っていく上での「闘志とモチベーション」は持ち続けていると強調した。

 2019年シーズンはわずか8大会の出場にとどまり、合計でも15試合しかプレーしていないシャラポワは、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで行われているエキシビション大会、ムバダラ・ワールド・テニス選手権(Mubadala World Tennis Championship)でオーストラリアのアイラ・トムリャノビッチ(Ajla Tomljanovic)と対戦し、いずれのセットも1ブレークダウンから巻き返して6-4、7-5で勝利した。

 初戦敗退となった8月の全米オープン(US Open Tennis Championships 2019)以来、はじめてコートに復帰したシャラポワは試合後、報道陣に対して、「長い間プレーしていなかったから、どんな機会でもコートに出てプレーできるのは本当に良いこと」「再びここに来て試合できるのは本当にうれしいし、ここから調子を上げていくだけ」とコメントした。

 肩のけがの状態に関してあまり多くは語らなかったものの、トムリャノビッチ戦の後は「良い気分だった」と話しつつ、4か月近くも離れていたツアーの今後のスケジュールは様子を見ていくとしており、来月の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2020)に向けて南半球に遠征する計画は立てている一方で、東京五輪ではプレーしないと明言した。

 シャラポワはプレーの調子や肩の状態が疑問視される中で、2020年シーズンのカレンダーについては決めていないといい、「来年のスケジュールを決めるのは、自分にとって最大の問題の一つになる」とすると、「オーストラリアに行くことは本当に楽しみだし、プレーの調子や体力が続くか見ていきたい」と話した。

 現在の世界ランキングが131位まで後退している中で、シャラポワは競技から引退することは考えていないことに加え、アスリート人生にけがはつきものであると実感していると強調。その点については、同じく今大会に出場している男子のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、キャリアを通じてけがとうまく折り合いをつけていることに刺激を受けているという。

 シャラポワは世界1位でグランドスラム通算19勝を誇るナダルについて、「これまでの彼のキャリアには感服している。特にそう思うのは、スケジュールに関する戦略が本当にスマートだということ」「試合では常に自信を持っていたいというのが彼の考え方で、それには体が健康でないといけない。だから、正しい決断をする必要があり、そこが彼から大いに学べる部分であることは間違いない」と語った。(c)AFP/Reem ABULLEIL