【12月19日 AFP】インドネシアの北スマトラ(North Sumatra)州で、同国で初めてアフリカ豚コレラ(ASF)ウイルスが検出された。当局が19日、明らかにした。ASFにより、これまでに3万頭近い豚が死んだという。

 ASFは中国をはじめ、アジア各地で猛威を振るっている。インドネシア当局は当初、豚2万7000頭の死因について、類似の症状を呈する別のウイルスの豚コレラ(CSF)だと断定していた。

 しかし農業省関係者はAFPの取材に対し、検査の結果「インドネシアでは(過去に)一切出ていなかった」ASF発生の証拠が、北スマトラ州の16の県と市で確認されたと明かした。

 ASFは人には感染しないが、豚に感染した場合の致死率はほぼ100%。

 インドネシアはイスラム教徒が世界最多で、コーラン(イスラム教の聖典)は豚肉食を禁じているが、北スマトラ州にはキリスト教徒の方が多い。また主にヒンズー教徒が暮らすバリ(Bali)島では、豚のローストが名物料理となっている。

 ASFの発生は、ミャンマー、ラオス、フィリピン、ベトナム、カンボジア、東ティモールでも確認されている。(c)AFP