【12月21日 CNS】中国・北京首都空港(Beijing Capital International Airport)のバードアタック防止部門には、特殊な「駆逐担当者」がいる。タカ科の猛禽(もうきん)「モモアカノスリ」「ハイタカ」、ハヤブサ科の「セーカーハヤブサ」だ。

 飛行機にとって、タカやハヤブサは体が大きく高く飛ぶため、本来は危険な鳥だ。しかし、訓練によって鳥類の食物連鎖の中での特徴を発揮できれば、空港の鳥類駆除の「専門家」となれる。

 民間航空部門によると、今年に入ってから、バードアタック事故の発生件数は、従前に比べて上昇傾向にあり、8月と9月だけで、中国の北方で連続して70回余りのバードアタック事故が発生しており、うち一部の事故では機体に損害を与えている。

 空港域内での飛行安全にとって、最大の脅威は空港周辺の住民が飼育しているハトだ。統計によると、首都空港の周辺3キロの範囲内で、48戸が約5000羽のハトを飼育しており、一部は西側滑走路のすぐ脇に位置している。ハトの特徴は、飛行機の飛行ルートを単純に横切るのではなく、ハト自身が楽しんで飛んでいるため、空港側としては強硬に追い払わなければならないという。

 首都空港は、中国で初めて鳥類の駆逐のためにタカとハヤブサを採用した民間用空港だ。飛行管理部の責任者の話によると、海外では先例があるが、中国では多くの空港のフライト量は首都空港ほど密でなく、鳥類の駆逐対策にかける時間も余裕があるため、タカとハヤブサによる対策はそれほど差し迫ったものではないという。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News