【12月19日 AFP】ギリシャ西部カラマタ(Kalamata)で18日、ごみ捨て場の貯留槽の中に生後数日とみられる男児が遺棄されているのを、野良猫に餌をやりに来た女性が偶然発見し、無事救出に至った。ごみ収集車の到着がたまたま遅れていため、命を助けることができたという。

 発見者の女性が現地のニュースサイト「Newsit」に語ったところによると、男児は市中心部に設置されている深さ数メートルのごみ貯留槽の中に遺棄されていた。「赤ちゃんは紙袋の中に入れられていた。そのまま死んでもいいと、落とされたのだろう」

「貯留槽は半分くらいごみで埋まっていた。叫んだけれど、誰も立ち止まって助けてはくれなかった」

 この女性は、ごみ捨て場の前に立ちふさがって、貯留槽にごみを捨てないよう近隣住民への説得を続けたという。「もし私がその場を離れて警察を呼びに行っていたら、赤ちゃんはもっとたくさんのごみに覆われてしまっただろう。30分ほどあそこにいた。ずっと泣きっぱなしで...私は母親ではないけれど、とても胸が痛む」

 カラマタ市長は「不幸中の幸いだった。この日はごみの収集が遅れていた」とアルファTV(Alpha TV)の取材に話し、ごみ収集車が来ていれば赤ちゃんが押しつぶされてしまった可能性に言及した。

 報道によれば、赤ちゃんは呼吸困難の症状を示しており現地の病院へ搬送されたが、全快する見込みだという。警察はその後、この事件に関連して若い女1人を逮捕したと発表した。(c)AFP