【12月19日 AFP】欧州連合(EU)の欧州議会(European Parliament)は18日、人権擁護活動などで功績のあった人物に贈る「サハロフ賞(Sakharov Prize)」をウイグル人学者、イリハム・トフティ(Ilham Tohti)氏に授与した。フランスのストラスブールで行われた授賞式には服役中の本人の代理として娘のジェウヘル(Jewher Ilham)さんが出席し、イリハム氏が存命かどうかさえ分からないが、サハロフ賞の受賞がイリハム氏の助けとなることを期待していると語った。

 経済学者だったイリハム氏は2014年、「国家分裂罪」で無期懲役を言い渡された。この裁判をめぐっては各国政府や人権団体から抗議の声が上がった。

 欧州議会は10月にイリハム氏の受賞決定を発表した際、同氏を「穏健派と和解派の代弁者」と称賛。一方中国は、イリハム氏を「テロリスト」と称し、受賞決定を非難した。

 受賞式の前にAFPの取材に応じたジェウヘルさんは、「最後に父のことを聞いたのは2017年で、父との面会が認められたのも2017年が最後だった」と述べ、さらに「だから家族が父と会ったのもその時が最後。父が生きているかどうかさえ分からない」と語った。ジェウヘルさんの隣のイリハム氏が座るはずだった席は空席となっていたのが象徴的だった。

 中国は、多数派である漢人文化へのウイグル人の同化を目指し、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)に多数の収容施設を設置。この措置をめぐっては、国際的な非難が高まっている。ウイグル人の大半はイスラム教徒で、チュルク語を話す。

 映像は欧州委員会が管理するテレビ情報サービスEBSが18日撮影・提供。(c)AFP/Marie JULIEN